- 韓国:国際会議で海底地形の韓国式名称を提案しない
- 日本:これを受けて海洋調査を当面実施しない
ということだ。これでは早晩、同じことを繰り返すことになる。なぜ日本政府は今すぐにこの問題を解決しようとしないのか?
谷内次官は王毅に麻生大臣の発言に関して「そんなのお互い様だろ」と言い放った時点でなかなか骨のある次官だと思ったが、今回のような妥協では評価できない。
李承晩ライン以来韓国に遠慮し、及び腰だった日本の政治姿勢を根本的に改めなければならないはずが、内閣の体質なのか、外務省の事なかれ主義なのか、常に先送りばかりである。
竹島に関して日本の主張に分があると思うならば、国際調停に出てこようともしない韓国をひっぱりだす絶好のチャンスだったはずである。海底の地形の名称の問題も由々しき問題であるが、それ以上に妄想国家を国際社会の常識に引きずり出し少しは目を覚ましてやる努力だったらしても良いのではないかと思う。
日韓協議合意…韓国は名称提案せず、日本は調査中止
【ソウル=中島健太郎、福島恭二】竹島周辺海域での日本の海洋調査に韓国が反発していた問題で、訪韓中の谷内正太郎外務次官は22日、韓国外交通商省の柳明桓(ユ・ミョンファン)第1次官とソウル市内のホテルで断続的に会談を続け、同日夜、打開策で合意した。
韓国は、6月の国際会議で韓国名の海底地形の提案をせず、日本も予定していた海洋調査を当面実施しないとした。これにより、調査の現場海域で日韓両国が衝突するという最悪の事態は回避された。
会談は、21日午後から始まった。2日目の22日は、ソウル市内のホテルで午前9時半から午後7時まで、断続的に行われた。
その結果、<1>韓国は、6月にドイツで開かれる海底名称に関する国際会議で、竹島周辺海域の韓国語名の提案をしない<2>日本は予定していた海洋調査を当面中止する<3>日韓両国は排他的経済水域(EEZ)の境界画定に関する交渉を5月中にも局長レベルで再開する――という3点で合意した。
これまでの協議で、日本は、今回の海洋調査について、国際法に基づいた調査であると強調した。その上で、6月にドイツで開かれる海底名称に関する国際会議で韓国側が竹島周辺海域の韓国名の提案を見送れば、日本も調査を見送る考えを表明したが、韓国側は調査の中止が先決との立場を示し、平行線が続いていた。
しかし、対立がこれ以上深まれば、日韓双方の利益にならないことから、ギリギリの妥協が成立したと見られる。谷内次官は会談終了後、記者団に「このまま事態が進むと不測の事態が起こりかねなかったが、避けられてよかった」と述べた。一方、柳次官は協議の中で、竹島周辺海域の韓国名提案について、6月の実施は見送るとしたものの、「必要な準備を経て、適切な時期に推進する」との立場は崩さなかった。
安倍官房長官は22日夜、「今回の合意は、国際法にのっとり日韓両国が互いに冷静に対処し、円満に解決しようとした努力の結果だ。今後も韓国とは、話し合いを通じ、未来志向で友好を築いていけるよう努力していきたい」との談話を発表した。
EEZの境界画定交渉は竹島の領有権問題で対立したまま中断している。今回の争いの根本原因について、日韓間の話し合い場を設けることで、今回のように対立が激化することを避ける狙いがある。しかし、日韓両国とも、今回の合意は一時的なものと見ており、今後、問題が再燃する可能性が高い。
海上保安庁の測量船2隻は鳥取県の境港沖合で停泊しているが、23日に東京に戻る予定だ。
(2006年4月22日21時26分 読売新聞)