2006年04月09日

マックは安全なのか?

非常に気になった記事。

 あおぞら銀行が今夏までに全社のパソコン端末の基本ソフト(OS)をアップルコンピュータの「Mac OS」へ切り替えることが八日、明らかとなった。安全性向上のためだが、国内大手企業の大半がOSにマイクロソフトの「ウィンドウズ」を使っている中、珍しい対応となる。
 あおぞら銀は昨年五月からグループ全社の業務用システムを刷新、データ類をサーバーで一元管理し、各行員のパソコン端末にはデータ類を保存させない仕組みを導入してきた。金融機関の個人情報紛失・流出が相次ぐなか、他行に先んじてデータの管理体制を徹底することが目的だ。
 システム刷新にあわせ同行では端末自体も見直し、「よりセキュリティー面で信頼がおける」(コーポレートコミュニケーション室)などとして、グループで二千五百台に上るパソコン端末すべてをアップル社製に切り替える。部署ごとに切り替えを進め、夏までに完了する見通し。新端末はすべてにカメラシステムをつけ、支店や海外の拠点といつでもテレビ会議ができるようにした。
(04/09 08:22)


 個人情報を含む機密情報の持ち出しは社会全体で大きな問題になっているし、時代の流れとして個人の端末に保存できなくし、全てサーバで一元管理が基本になるだろう。そういった意味であおぞら銀行の対応は正しいと思う。
 またウィンドウズはセキュリティの問題を頻繁に起こすよ......ね。たしかにセキュリティパッチが良くリリースされ、問題も引き起こす。ただ、これはウィンドウズ固有の問題なのだろうか?

 答えは否。 である。

 セキュリティ問題を起こすのはウィンドウズだけではなく、サーバとして多く用いられているサン・マイクロシステムズ社のSolarisだって、リナックスだって頻繁にセキュリティパッチのリリースがされている。マックはここ10年ほどほとんど使っていないので良くわからないけれども、問題が無いとは100%いえない。(OSの安定性という意味ではMac OS XでUNIXベースになったことから確実に向上しているだろうが、セキュリティという意味では全く関係なし)

 ウィンドウズが数々のウィルスに感染するのは、そのウィルスの作者であるクラッカー(ハッカーとは言わない)達がもっとも影響のあるOSを狙いたいからだけである。影響の少ないマックなんか狙ったって面白くないでしょ。フェチならまだしも、目立ちたいだけの連中だから当然ウィンドウズを狙うに決まってる。

 ウィルス禍から容易に逃れられるという意図があるのかもしれないが、あまり根本的な問題にはならないだろうね。こういうニュースが流れれば必ずマックを狙ったウィルスが投げ込まれるに決まってるし、むしろそうなったときウィルス対策ソフトの対応が遅れがちになるから、クラッカーからすればその混乱を眺めるのは至福のひと時となるだろうね。ふらふら

 私はどっちかというとウィンドウズは嫌いなOSである。最初に触ったのがSunOS 4.1.3であり、その後もSolaris, Linuxで育ってきた。ウィンドウズはExcelが使いたいからしようがなく使ってきたようなもんだ。
 でも会社内のシステムとしてはウィンドウズを使うべきだと思う。業務というのは社内だけで完結するものではなく、他社の協力が欠かせない。その時にインターフェースとなるべきOSが別のものだと色々障害が出てくる。それをクリアするのはシステムを決定する情報担当部門ではなく、担当者レベルの努力が必要なのである。

 想像するに、情報担当部門の役員クラスにマックシンパが居るだけだろうと思う。どうもマックシンパは自分が正しいと思ったらとことん押し通すのが多いのでこういうことになるのだが、現場のユーザから見れば迷惑な話である。
 一度システムを変えると大きなシステムほど方向修正が大変になる。きっと後悔することになるだろう。
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2006年03月18日

ホタルの発光現象を解明

 自然が作り出す力ってすごいんですね。下に引用した読売の記事には書いていませんが、ホタルの光の発光効率は何と90%とのこと。人工の発光体(蛍光灯など)では30%程度です。
 発光効率とは入力したエネルギーがどれくらい光に変換されているかを示す値で、蛍光灯などでは光以外に熱や音などに多くエネルギーが消費されてしまい効率が悪いことがわかります。
 しかし、太古の昔からホタルの発光効率は90%。人間が一生懸命知恵を出し、明るく、効率の良い光源を求めてもここまでは到達できませんでした。ただただ、自然の前に脱帽するしかありませんね。

 今回、理化学研究所などの共同チームがDNAレベルでの発光現象の解明に大きな一歩を記しました。ホタルの光は輝度(光の強さ)という意味で人間の生活の中では使い物になりませんが、今後の光源開発においては重要な知識となるでしょう。より良い生活のために研究者にはさらなる努力をお願いしたいと思います。

 ちなみに分析に用いられたスプリング8(SPring8, Super Photon Ring 8GeVの略)は和歌山のヒ素カレー事件の林真須美容疑者が使った亜ヒ酸の結晶構造を突き止めた研究所です。

ホタルの発光の仕組み、理化学研チームが解明

 ホタルの光がなぜ黄緑色に光るのかを、理化学研究所などの研究チームが突き止めた。
 体内にある特定のたんぱく質の構造変化で、光を出す「発光体」のエネルギーが失われない状態となり、エネルギーが高く波長の短い黄緑色の光が出るという。
 効率的なエネルギー利用システム開発に道を開く成果で、16日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
 研究チームはゲンジボタルの発光を促すたんぱく質「ルシフェラーゼ」の立体構造を大型放射光装置「スプリング8」で解析した。その結果、発光直前にたんぱく質の特定のアミノ酸が発光体を握りしめるような形に構造変化することがわかった。これにより、発光体は強く固定され、エネルギーは高く維持された状態から放出されるため、黄緑色に光るという。
 アミノ酸を変異させたルシフェラーゼを人工的に作成したところ、発光色はエネルギーの低い赤や橙(だいだい)色になった。アミノ酸の変異により発光体が固定されず、発光前に振動によってエネルギーが失われてしまうためと考えられる。
 研究チームの中津亨・京都大助教授は「発光メカニズムの解明で産業に活用する可能性が開けた」と話している。
(2006年3月16日11時57分 読売新聞)
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2006年02月08日

日立のミューチップ

日経平均株価 16,272.68 -448.31 TOPIX 1,671.39 -42.08


今日は激しく下げましたね。


2日前ほどにリリースされた日立のミューチップについて

・SOI基板使って
・ガードリングなくして面積縮小して
・0.15mm角、厚さ7.5μm(従来品は0.3mm角、厚さ60μm)

これだけで従来よりもウェハ1枚あたりから10倍のチップが取れるって不思議。
普通に考えて面積が1/4だから、取れる個数は4倍程度。だけれども実際にはチップ切り出すときの切りしろがあって、4倍までは行かないはず。 やはりウェハを200mmから300mmに換えたとか言うのがあるのだろうか。それでも面積は2.25倍。 10倍ってホントかなぁ。

上にも書いたチップを切り出すときにディスコ東京精密のダイシングソーを使って、シリコンウェハを切りますが、チップが小さくなればなるほど、この切りしろが目立ち、非常に無駄を出しているように感じる。この前作ったチップなんか、計算してみるとウェハの1/4を切りしろで取られてて、もったいなくてしようが無かった。

あとSOI。寄生容量やリーク電流が低減され、一般には動作スピードも速くなるということですが、実際にはそうでもない。
AppleがSOIを使ったIBMのPowerPCを捨てて、バルクシリコンを使ったIntelのチップを採用したのはつい最近のこと。しかも基板の値段はバルクより1桁高いときてる。

しかも日立は今回のミューチップで支持台になってるシリコン基板を最終仕上げで全部エッチングで取り除いている模様。もったいねぇーー。
キヤノンのSOI基板、ELTRANはポーラスシリコンを形成して、SOI層を作ってから支持台の基板に貼り付け、ポーラスシリコン部をウォータジェットで切断してるけど、その技術をミューチップの作成に使えないもんかね。そしたら支持台基板を何回も使いまわしできるよ。少しずつ磨り減ってくるけど。
posted by Windy City at 22:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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